気温が上がって何が起きている?
さらに上がるとどうなる?

100年前と比べて地球の平均気温はすでに約1℃上昇しています。「1℃」と聞くとほんの少しに感じますが、 すでに世界のいたるところで大きな影響を及ぼしています。一見関係がないように感じる災害や、最近なんとなく感じていた過ごしにくさが、実は気候変動によって引き起こされていることも…。 1℃上昇した今、どんな影響が出ているのか、さらに気温が上がり続けると何が起きるのか、いくつか例を取り上げて変化を見てみましょう。

《地球温暖化で起きること》

熱波

熱波は広い範囲で4、5日かそれ以上にわたって著しい高温が続く現象。1950年代以降、熱波の強さと頻度が増加。

森林火災

1950年以降、高温や乾燥していて風が強いなど、複合的に火災の発生しやすい気候条件が増加。

強い台風

過去40年間で、最大瞬間風速が50m/sを超える強い台風が発生する割合が増加。強さがピークになる場所(緯度)も北へ変遷。

海面上昇

主な原因は、海水の温度上昇による膨張や、氷河・氷床の融解と言われている。
1901〜2018年までの間に海面が20cm上昇。予測によると、このままでは21世紀中に最大82cm上昇。

洪水

1950年以降、極端な降水や河川を流れる水の量、高潮など複数の要因が重なって起こる洪水が増加。

生態系の損失

生態系の構造や機能、回復力、自然適応能力が広い範囲で劣化し、社会や経済に悪い影響を及ぼしている。平均気温が5℃上がると最大で約50%の生き物が絶滅のリスクに直面する。

感染症

気温上昇にともない、感染症を媒介する生物の生息域や活動が拡大。汚染された水によって起こる感染症も増加。

水不足

温暖化が進み気候が極端になることによって、以前から水が乏しかった地域の水不足がさらに悪化。

食糧不足

極端な気象・気候の増加によって、何百万人もの人々が、安全な食料や水が急激に不足する事態に直面。

出典:『IPCC AR6 WG1報告書 政策決定者向け要約(SPM)暫定訳(2022年5月12日版)』(環境省)を参考

対策によって未来が変わる! 5つの「気候変動シナリオ」

地球温暖化によって起こるさまざまな影響は、私たちがどの「気候変動シナリオ」を辿るかによって異なります。気候変動シナリオとは、さまざまな可能性や条件を考慮したシミュレーションによって予測されたものです。
対策に取り組まないと世界の平均気温が最大5.7℃上昇(シナリオ「SSP5-8.5」)し、今すぐ行動すれば気温の上昇を1.5℃(シナリオ「SSP1-1.9」)で止められる可能性が高まります。


さらに上がるとどうなる? 平均気温の上昇 1.5℃ と2℃を比較!

たった0.5℃の違いでも影響度は大きく変わります。少しでも気温の上昇を抑えることが大切です。

出典:『IPCC AR6 特別報告書』(環境省)を参考