《地球温暖化と温室効果ガス》
本来、太陽から降り注ぐ光が地球の地面を暖め、その地表から放出される熱(赤外線)の一部を、大気中の温室効果ガスが吸収し放出することで、地球の気温は適度な温度に保たれます。しかし近年、産業活動が活発になり大気中の温室効果ガスが増加しています。これにより、より多くの熱が吸収され、地表面に向かって放出されるために気温が急上昇しています。 では、気温上昇のキーとなる温室効果ガスの正体とはいったい何でしょう?
2020年度に日本で排出された温室効果ガスのなかで、とりわけ大きな割合を占めるのが二酸化炭素(CO2)です。この図は温室効果ガスの影響の大きさをCO2相当に換算した値でつくられていますが、温暖化する能力の高いメタン(CH4)でも、その排出量と合わせて比べると、CO2の影響がいかに高いかがわかります。ほかにも能力や性質の異なる温室効果ガスがあるので調べてみましょう。
出典:『日本の温室効果ガス排出量データ(1990〜2020年度)確報値』(温室効果ガスイベントリオフィス)を参考《一番の原因、二酸化炭素(CO2)はどこから出ている?》
CO2が特に多く排出されるのは、石油や石炭などの化石燃料を燃やしたときです。たとえば、化石燃料を燃やして電気をつくると、CO2が大量に排出されます。その電気を使えば使うほど、CO2の排出量は多くなります。他にも、私たちが買い物をするとき、その裏側では商品をつくるために電気を使ったり、運ぶための乗り物がガソリンを燃やしたりすることで、CO2が排出されています。
《武蔵野市の場合は、お店や家庭から排出される割合が大きい》
武蔵野市は、ほかの地域と比べると工場よりも商業地や住宅地の割合が大きく、排出されるCO2のほとんどが、お店やお家で使うエネルギーによるものです。上の「日本の部門別二酸化炭素の排出量 電気・熱配分前」のグラフは、電気をつくる「エネルギー転換部門」に電気を使う側の排出量も含まれているため、単純に比較はできませんが、私たちの暮らしのなかで電気を使わない工夫がCO2削減につながります。
もっと深堀りしてみよう
「日本の部門別二酸化炭素排出量の割合」
二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するには、どこから排出されているか、なぜ排出されているかを知ることが大切です。ここに示す2つの「日本の部門別二酸化炭素排出量の割合」のグラフは、いずれも各部門(排出されるところ)のCO2の排出量を把握しようとするものです。
「直接排出量」は、発電の際に排出したCO2の量をエネルギー転換部門(電気をつくっているところ)で排出しているものとして計算したグラフです。もうひとつの「間接排出量」は、電気事業者(電気をつくっているところ)が発電した際に排出したCO2の量を電力消費量に応じて最終需要部門(電気を使ったところ)に配分した後のグラフです。
グラフの左上にある「家庭部門」を見てみると、直接排出量では5.5%であるのに対し、間接排出量では15.9%に増えているのがわかります。また、私たちの生活に必要なものをつくる「産業部門」、それを運ぶ「運輸部門」など、私たちの生活に関係するさまざまなところでエネルギーを使い、その結果CO2を排出していることがわかります。